渾身の落がk…。

11月28日 佐藤大文

ご無沙汰でした。無事、港北倉庫セールが終了し残すところ今年も一ヶ月となりました。ご来店下さった方々、誠に有難う御座いました。セールに向けての多忙な作業内容満載の日々でブログの更新がお留守になりましたが、取り返す勢いで更新を再開したいと思います。

さて早速ですが、ウォールナットのシュバルミラーです。ミラーフレームの上部がまるで小動物の耳のような愛らしさを感じるデザインですが一見すると普通のコンディションのアイテムに見えます。しかし、塗装の観点から言えば凄まじい違和感を醸し出しているアイテムなのです。即答すると、これは「木目描き」がぎっしりされています。一見して理解された方は良い観察眼をお持ちだと思います。是非一緒に働きましょう。

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それはそうと、これは決して珍しくはありません。入荷してきた家具の何点かは木目を強調させて材質の雰囲気を出したいが為にこのような木目描きを施されているものがあります。過去に作業した誰かの意思なのか、それとも作った職人さんがお客さんの意向でやむなく施したのかはわかりませんが… 特に、ウォールナット材のアイテムに関してはこの傾向が強く出ています。

ウォールナットと言えばまるでマーブル模様を彷彿とさせるコブの杢目が特徴の材です。上質な家具であるほど杢が詰まった材をふんだんに使った、凝視が止まらなくなるほど美しい天板などを見かける機会もあります。しかし中にはいかなる理由があってか、異種材をウォールナット風に木目描きで強引に風合いを出そうと試みたアイテムにも遭遇したりします。詐欺です。

ウォールナット材の家具はコンディションによっては作業者泣かせでもあるのです。白木地からまるで水墨画のような木目を描いた強者もいるらしいです。

大体の場合、顔料で木目は描かれている場合が多いです。木地に直接描かれてない場合の多くはペイントシンナーかアルコールをスチールウールに含ませて擦る事で除去が可能です。こんな具合に。
マスオさんが叩き売りから高額プライスで買ったボーダー模様のスイカを氷水で冷やすと水性絵の具が溶けて無事 普通のスイカに元通りみたいな話がサザエさんでありましたね。

ちなみにわかりづらいですが帆立台の貫部分と前脚にも木目が描かれています。面白い事に、描かれている部分は正面から見える部分だけで、背面や後足には描かれていません。

こうやって剥がすと何の変哲もない材質です。確かに見目素っ気無いのはわかりますが、素材ってのはありのままがいいんです。これだけでもニスの光沢が出ればより上質な雰囲気が出るものです。これでいいのだ。

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アンティーク家具は我々の手元に来るまで、どのような人間によって修復あるいは手を加えられたかわかりません。大体が素人による犯行…もとい、施工がされた様相が多く見られます。しかし、いかなる職人の手によって加えられた木目も、自然が生み出す不規則な美術には到底適わない事を我々は身をもって知るのです。

手作業しか知らない当時の職人達は現代の職人達よりも自然の偉大さを嫌と言うほど職人魂に刻み付けられたのではないでしょうか。それあってのアンティーク英国家具とも言えるでしょう。私見ですが。
このアイテムの仕上がりは後日お披露目いたします。しばらくお待ちください。

思い起こせばいろいろあった11月でした。半世紀ぶりの11月の初雪。それ以外何もなかったですよね!!
あとタイヤ交換しました。

それではまた。
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